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ダーウィンの日記1835年1月1日 [ダーウィンの日記]

ダーウィンの日記(チョノス諸島南方; トレス・モンテス半島)

[注釈] 1835年の1月1日、ダーウィンを含むビーグル号の人々はチリ南部のトレス・モンテス半島沿岸(下の地図参照)で迎えます。この日はビーグル号が英国を出発してから1101日目(3年と5日が経過[うるう日を1日含む])であり、後にガラパゴス諸島に向かって南米大陸を後にするのがこの日から数えて250日目ということになります。

この1835年は、ダーウィンとっては、アンデス山脈の横断旅行、アタカマ砂漠の南方の乾燥地帯(チリ北部)のウマによる北上、そして南米大陸を離れてガラパゴス諸島への到達、後に太平洋横断、タヒチからニュージーランドへ立ち寄り、次いでこの年の12月30日にオーストラリアへ出発するという具合に、その行動圏が大きく広がる年となります。つまり、この年後半にはビーグル号は南米大陸両岸南部の測量をひとまず終えて、各地間の経度距離測定のための地球周航(西に進む)の完成に向けて動き出します。この際、南米大陸を離れて最初に立ち寄ったのがガラパゴス諸島でした。

この年の最初の日、空模様は陰鬱なものであったようです。


[日記仮訳]

1月1日、1835年

新年はこの地域にふさわしい儀式を先導として迎え入れられた。それはぬか喜びを期待させたりはしていない。強い北西の疾風が、間断なく降る雨を伴って、来るべき年を予告している。 ありがたいことに私たちはこの年の終わりをここで見る事はないだろう。そうではなく、太平洋のまっただ中にいることだろう。そこでは青空が、私たちの頭上の、雲を越えたところに、天があることを物語るのだ。

[地図] 1834年12月31日から1835年1月5日までの停泊地..

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[天候]1835年1月1日正午の天候:
北西の風、風力5、雲、暗い、スコール、継続的雨、気温摂氏11.7度、水温摂氏12.2度。

[日記原文]
January 1st, 1835.
The new year is ushered in with the Ceremonies proper to it in these regions: — she lays out no false hopes; a heavy NW gale with steady rain bespeaks the rising year. Thank God we shall not here see the end of it; but rather in the Pacific, where a blue sky does tell one there is a heaven, a something beyond the Clouds, above our heads. —

cdarwin_s.jpg

["ダーウィンの日記(III)"について]
ここで扱っているのはダーウィンがビーグル号で航海に出ている時期の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳します。また、ダーウィンが日記を書いた当時の世界観を出来るだけそのままにして読む事を念頭に置きますので、若干の用語の注釈を除いては、現代的観点からの注釈は控え気味にしてあります。
[日記原典] Charles Darwin's Beagle Diary ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.


[このブログ "だーうぃんのにっき(III)" は、私の下記のブログ記事
http://fumisalt.blog.so-net.ne.jp/1834-12-31
つまり、"だーうぃんのにっき(II)" の末尾の記事(1834年12月31日分)から続くものです。]


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アマデウス

いよいよ1835年を迎えましたね。楽しみです!こちらこそこれからもよろしくお願いします。
by アマデウス (2009-04-07 06:27) 

さとふみ

1835年の日記はある意味で山場をなしている面がありますし、気を引き締めてなんとかしっかり読んでゆきたいと思います。。
by さとふみ (2009-04-08 01:05) 

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