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ダーウィンの日記1835年12月3日 [ダーウィンの日記]

aitutaki.jpg
アイツタキ島(衛星画像)


ダーウィンの日記(タヒチからニュージーランドへ; 海上移動)

[注釈] タヒチ島を(1835年)11月26日に出帆したビーグル号がニュージーランド(北島)の見える位置に到着するのはその3週間余り後の12月19日です。この12月3日付けの記事はその途中でのものです。

[ダーウィンの日記仮訳]

(1835年12月)3日[直前の記事は11月26日付け]

いく日もの軽風の後、ホワイトゥタキ島[注]の近くを通り過ぎた。ここではふたとおりの地形が結合しているのを見た。 不規則な丘の塊が整った円形のリーフに囲まれていた。 そのうち多くの部分が低く狭い陸地の区画に変わっていて、クックが半ば溺れたと呼んだように、単に砂とサンゴの岩が以前のリーフの死んだ部分に積み重なっているものから出来ているのである[*注]
[注] 原文"Whytootacke"。アイトゥタキ(Aitutaki)。クック諸島に属する一島。下の地図参照。
[*注] ダーウィンがこの段階でサンゴ礁の成因についての彼自身の概念をすでに持っていることが分かります。


住民たちが私らの関心をひくために煙を上げていた。


[地図] アイトゥタキ(Aitutaki)..

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[天候と位置]

1835年11月
27日午前10時の天候と位置:
南南東の風、風力4、青空、雲、霧、気温摂氏25度、水温摂氏25.8度; 南緯17度14分、西経150度31分。

28日午前10時の天候と位置:
南の風、風力1、青空、視界良好、気温摂氏25度、水温摂氏26度; 南緯17度17分、西経152度15分。

29日午前10時の天候と位置:
東微北の風、風力4、青空、雲、気温摂氏26.7度、水温摂氏26.4度; 南緯17度25分、西経153度24分。

30日午前10時の天候と位置:
北東の風、風力2、青空、雲、気温摂氏26.7度、水温摂氏26.4度; 南緯17度54分、西経155度00分。

12月
1日午前10時の天候と位置:
南東の風、風力2、青空、雲、気温摂氏26.1度、水温摂氏26.1度; 南緯18度16分、西経156度56分。

2日午前10時の天候と位置:
南東の風、風力1、青空、雲、視界良好、気温摂氏25度、水温26.7度; 南緯18度35分、西経158度13分。

3日午前10時の天候と位置:
南東の風、風力4、青空、雲、気温摂氏27.2度、水温25.8度; 南緯18度57分、西経159度44分(上の地図参照)。


[画像] アイツタキ島..
12834936.jpg
画像出典: http://www.panoramio.com/photo/12834936

[ダーウィンの日記原文]
December 3rd
After several days of light winds, we passed near to the island Whytootacke; We here saw a union of the two prevailing kinds of structure united. A hilly irregular mass was surrounded by a well defined circle of reefs, which in great part have been converted into low narrow strips of land, which as Cook calls them are half drowned, consisting merely of sand & Corall rocks heaped up on the dead part of a former reef.— The inhabitants made a smoke to attract our attention. —


cdarwin_s.jpg

["ダーウィンの日記(III)"について]
ここで扱っているのはダーウィンがビーグル号で航海に出ている時期の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳します。また、ダーウィンが日記を書いた当時の世界観を出来るだけそのままにして読む事を念頭に置きますので、若干の用語の注釈を除いては、現代的観点からの注釈は控え気味にしてあります。
[日記原典] Charles Darwin's Beagle Diary ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.

  
  
  
タグ:サンゴ礁
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アマデウス

キーリング(ココス)諸島に於ける珊瑚礁の更なる詳細観察で「珊瑚礁の起源」について確信をもったということですね。
by アマデウス (2009-08-07 07:41) 

さとふみ

ツアモツ諸島を通過中にはそれほどサンゴ礁の島への関心を表わしてなかったダーウィンですが、タヒチを後にしてからサンゴ礁成因の理論をほのめかせる叙述が出てきます。後にキーリング(ココス)諸島での日記でも成因への関心を示す記述があります。
by さとふみ (2009-08-07 07:48) 

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