ダーウィンの日記1836年7月23日 [ダーウィンの日記]
ダーウィンの日記(大西洋; アセンションからバイアへ向かう)
[日記仮訳]
(1836年7月)23日
午後、外洋に出た。沖に向かうにあたって、船首は西南西航路へと進められ、これは英国に向かうことを切望している船上の者にとって辛い当惑と驚愕の事態であった[注]。 私は南アメリカの海岸を再び見る事になるとは思ってもみなかった。だが、運命が私たちをブラジルのバイア[*注]に向かわせているということには喜びを覚える。
[注] ダーウィンはビーグル号がアセンションからは英国へ進むものと思っていたらしい。これによると、アセンションから出発するまでは次の目的地がどこかは告げられていなかった模様。
[*注] ブラジル東部のサルバドル。地図2参照。
[地図1] アセンションの大域的位置..
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[地図2] サルバドル(バイア、ブラジル)..
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[天候]
1836年7月23日正午の天候(アセンション):
南東の風、風力5、青空、雲、スコール、気温摂氏23.9度、水温摂氏23.9度。
[日記原文]
23rd
In the afternoon put to sea. — When in the offing, the Ships head was directed in W.S.W. course — a sore discomfiture & surprise to those on board who were most anxious to reach England. I did not think again to see the coast of S. America; but I am glad our fate has directed us to Bahia in Brazil. —
["ダーウィンの日記(III)"について]
ここで扱っているのはダーウィンがビーグル号で航海に出ている時期の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳します。また、ダーウィンが日記を書いた当時の世界観を出来るだけそのままにして読む事を念頭に置きますので、若干の用語の注釈を除いては、現代的観点からの注釈は控え気味にしてあります。
[日記原典] Charles Darwin's Beagle Diary ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.
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私も、このまま英国に真直ぐ帰って終わってしまうのか?と寂しく思っていたので、嬉しい寄り道です。
by SAKANAKANE (2009-12-12 16:45)
このあとも若干箇所、寄る所がありますね。
by さとふみ (2009-12-12 17:59)