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ダーウィンの日記1836年9月24日および25日(その1) [ダーウィンの日記]

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現在のサン・ミゲル島の風景


ダーウィンの日記(大西洋; イングランドに直接帰るコースに進む)

[日記仮訳]

(1836年9月)24日

午前中にサン・ミゲル島[注]の西端の沖合に着いた。手紙を受け取るためにそこの首府に行くことになっていたのである。逆風のため丸1日停められた。
[注] 原文"St Michaels"。アゾレス諸島のうちのひとつの島。下の地図参照。


25日[イングランド・ファルマス到着の7日前]

ついで翌朝、私たちは町の沖合に着き、一艘ボートが岸に送られた。

サン・ミゲルの島はかなり大きくてテルセイラの3倍の人口を擁してより広範な交易を営んでいる。主な輸出品は果物で、そのために船団が毎年やって来るのである。いく百隻もの船がオレンジを積むのだがどの島にもこの木はそんなに多数は見えない。だれもここに英国に輸出される無数のオレンジのための大市場があるとは想像もしないことであろう。サン・ミゲルはテルセイラとすっかり同様の開けて半ば緑色の耕作された斑模様の外見を持っている。町はよりまばらである。そこもそして地帯全体の家屋や教会は漆喰塗りで遠くからはこざっぱりとしてきれいに見える。町の後背地はテルセイラほどは高くないが、それでもかなり高まっている。そこは小さな乳房状の丘が密にちりばめられているというよりむしろそれで出来ている。そのそれぞれがある時期には活火山であったのだ。

一時間もしてボートが手紙なしで戻って来た。そして陸地からうまく沖に出て、私たちは、ありがたいことに[thanks to God]イングランドに向けての直接のコースに舵を取ったのである。

[地図] サン・ミゲル島..

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[天候]
1836年9月24日午前10時の天候:
南南東の風、風力4、青空、雲、気温摂氏20.6度、水温摂氏21.4度。


[日記原文]
24th
In the morning, we were off the Western end of St Michaels; to the capital of which we were bound in quest of letters. A contrary wind detained us the whole day,

25th [the first part]
but by the following morning, we were off the city, & a boat was sent on shore.— The Isld of St Michaels is considerably larger & three times more populous & enjoys a more extensive trade than Terceira. — The chief export is the fruit, for which a fleet of vessels annually arrives. Although several hundred vessels are loaded with oranges, these trees on neither island appear in any great numbers. No one would guess that this was the great market for the numberless oranges imported into England. St Michaels has much the same open, semi-green, cultivated patchwork appearance as Terceira. The town is more scatted; the houses & churches there & throughout the country are white washed & look from a distance neat and pretty. The land behind the town is less elevated than at Terceira, but yet rises considerably; it is thickly studded or rather made up of small mammiformed hills, each of which has sometime been an active Volcano. — In an hours time the boat returned without any letters, and then getting a good offing from the land, we steered, thanks to God, a direct course for England.—

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["ダーウィンの日記(III)"について]
ここで扱っているのはダーウィンがビーグル号で航海に出ている時期の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳します。また、ダーウィンが日記を書いた当時の世界観を出来るだけそのままにして読む事を念頭に置きますので、若干の用語の注釈を除いては、現代的観点からの注釈は控え気味にしてあります。
[日記原典] Charles Darwin's Beagle Diary ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.
1835年1月1日より前のダーウィンの日記へはページ左のリンク集が入り口となります。

冒頭画像出典: http://www.panoramio.com/photo/1071953



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かずのこ

あけましておめでとうございます。
今年も楽しみにしています^^
by かずのこ (2010-01-02 11:17) 

ヤヨ

あけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願い致します^^
by ヤヨ (2010-01-02 15:24) 

水郷楽人

明けましておめでとうございます。(^_^)/。。
本年もよろしくお付き合いくださいね。

by 水郷楽人 (2010-01-02 20:07) 

mitu

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
by mitu (2010-01-02 22:29) 

めぎ

遅れ馳せながら、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
by めぎ (2010-01-03 06:46) 

chee

あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
by chee (2010-01-03 10:44) 

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