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ダーウィンの日記1836年5月9日 [ダーウィンの日記]

ダーウィンの日記(モーリシャス; 喜望峰へ)

[日記仮訳]

(1836年5月)9日[1831年12月27日に英国プリマスを出発してから4年4ヶ月と12日後]

夕方、ポート・ルイスを出帆して喜望峰へ向かう航程に入った。

[モーリシャスにいる間は]英国を出て以来、これほど怠惰でだらしない時間を過ごしたことはなかった。週のほぼ毎日、外で食事した。全てはとても楽しいものであっただろうが、それは英国の思い出を払いのけることが出来ればのことであった[注]。 社交界は私たちにとっては楽しいものであったように思えたが、私たちの短い滞在の間にも少なからぬ部分で嫉妬、羨望および嫌悪が普通のこととなっているのは明らかであり、それは大抵の他の小さな社交界と同様のことである。あぁ、そういう感覚が入り込んで来ることのない地上の楽園は存在しないものなのだ!
[注] ここで明らかにダーウィンは早く英国に帰り着きたいと思っている。

[地図] モーリシャスの大局的位置..

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[天候]
1836年5月9日の天候:
南東微南の風、風力4、青空、雲、気温摂氏23.9度。

[日記原文]
9th
In the evening we sailed from Port Louis on our way to the C. of Good Hope; since leaving England I have not spent so idle & dissipated a time. I dined out almost every day in the week. all would have been very delightful, if it had been possible to have banished the remembrance of England. Pleasant as the society appeared to us, it was manifest even during our short visit that no small portion of jealousy, envy & hatred was common here, as in most other small societies. — Alas, there does not exist a terrestrial paradise where such feelings have not found an entrance!


cdarwin_s.jpg

["ダーウィンの日記(III)"について]
ここで扱っているのはダーウィンがビーグル号で航海に出ている時期の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳します。また、ダーウィンが日記を書いた当時の世界観を出来るだけそのままにして読む事を念頭に置きますので、若干の用語の注釈を除いては、現代的観点からの注釈は控え気味にしてあります。
[日記原典] Charles Darwin's Beagle Diary ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.
1835年1月1日より前のダーウィンの日記へはページ左のリンク集が入り口となります。




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コメント 4

Cecilia

お久しぶりです。
羨望および嫌悪・・・いつの時代にもなくなることはないと思うのですが、ダーウィンが辟易としているのにも親しみを感じますね。
by Cecilia (2009-11-12 08:46) 

さとふみ

Ceciliaさん..
コメントありがとうございます。
by さとふみ (2009-11-12 09:08) 

春分

モーリシャスの動植物も面白いのかと思ったのですが、ダーウィンはあまり気にしていないようですね。ガラパゴスとかが面白すぎましたでしょうか。
by 春分 (2009-11-22 17:52) 

さとふみ

この時期、もうダーウィンは一刻も早く英国に帰りたいんですね。
by さとふみ (2009-11-22 17:59) 

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